推し筆について語ってみた!(ナイロン・リセーブルオンリー)

細々とやってきたこのブログも、プレオープン期間も含めると、開設してからちょうど1年経ったようです。しかし最近更新ペースが遅くなりがちでちょっとヤバイかも? …と若干焦りも感じています。

…それもこれも毎週日曜日に水星の魔女が視聴者のメンタルをズタズタにしてくるのが悪いんだ…!(責任転嫁)

またしても何も知らないスレッタさん(17)
クレスター紙との和解に失敗した _:(´ཀ`」∠):_

筆者はグエスレ推しなのですが、この先グエルくんに死亡フラグが立たないか心配です…(※注: 執筆当時はまだ1クール目の途中)。グエルくんに限らず、皆死なないでくれ…と常に祈ってる状態ですが、シャディクの取り巻きがVガンダムのシュラク隊やネネカ隊のような立ち位置に見えてしまう時点でもうね… 。・゚・(ノ∀`)・゚・。

…とまぁそんな話はさておきまして、本日は筆のお話でございます。私が普段から制作のオトモにしている「推し筆」についてお話できればなぁ…と! 100均や学童用の筆からちょっと背伸びしてみたい方に届け…!

Contents

この記事を書くに至った経緯とか

何気によく読まれていた「筆」の記事

なんで推し筆の話をしようと思ったか…という理由なんですが、実は以前書いた筆の記事が結構読まれている事に気がついたからです。

ちなみに、このサイトで最も読まれているのはターナーの透明水彩を紹介した記事(↓)です。筆の記事はその次に読まれていました。

twitterでこのブログの更新の案内をするようになったのも、このターナーの透明水彩を紹介した記事からなので、一度もtwitterで話題に出した記憶のない記事がめっちゃ読まれてるの何…? と宇宙猫状態に。

筆は色んな意味で悩ましいかつ難しい買い物

透明水彩の道具の買い物で一番難しいのは、水彩紙ではなく筆だと思います。

実際、私も最初の頃ものすごく悩んだし、なんなら今だって結構悩みます。絵の具や水彩紙のように、作品にはっきりと出てくるものではないですし。出てもせいぜい筆致ぐらいかな…と。

何よりも、自分の描き方・塗り方にあってるかどうかは使ってみるまでわからない所なんかは、ある意味ソシャゲのガチャですよね。せっかく奮発して高い筆を買ったのに、いざ使ったらハズレだった場合などは、ガチャで爆死した時と似たお気持ちに…

なので、筆の記事がよく読まれているのは、自分にあった筆orコスパと扱いやすさのバランスが取れた筆を探して、ここにたどり着いた人が多かったのかな? …などと思いました。ガッチガチに対策している本館とは違い、ここは検索避けをしていないので、グーグル先生にお尋ねすればある程度は引っかかるようにはなっているので…

そんなわけで、ちょっと良い筆を使ってみたいという方向けに、推し筆の話をしてみようかと思ったのでした。

現在の大まかな制作環境など

先日、Inktober2022のログをモーメントにまとめたのですが、今年はInktoberタグを付けた絵には制作時の写真をスレッドに置いています(去年はつけたりつけなかったりだったので今年は31枚分ちゃんと撮りました)。

※モーメントそのものを埋め込めなかったのでこっちで

撮影時は、どの筆で塗っていたのかも一応分かるようにしました。31枚分見てもらうと分かるんですが、アクアレッロとインターロンの使用率が多いです。因みに去年は学童用筆とCNクリスタルだったのでだいぶ変わったなw

私の推し筆3選(+α)

ここからようやく本題、推し筆についてご紹介していきますね。

インターロン 1026 短軸ラウンド(丸善美術)

インターロン 1026 短軸ラウンド

これだけ3種類の太さで持ってます。適度なコシと柔らかさでとても扱いやすく、お値段もそこまで高くないので気軽に手を出しやすいと思います。あまりにもヘビロテしすぎてボディに書かれているロゴ部分が剥げましたw

ナイロンに形状記憶(インターロック)を施した筆で、曲がり癖がついても熱湯につければ元に戻ります。また内側にカールをつけることにより外側に毛がバラつかないようになっており、これによって赤テンやコリンスキーに近い描き味を実現しているとか。しかもこれ一本一本手作りだそうな…ヒィィ

よく比較対象にされやすいのがアルテージュ キャムロンプロですが、どっちを買えばいいかって言われたら、私ならインターロンを推します。キャムロンプロの方はインターロンに比べて水含みが少し弱いです。あとお値段もインターロンよりも若干高いので、軽率に買うにはちょっと勇気がいるかな…っていう印象。ただ、インターロンが苦手としている細密描写にはめちゃくちゃ強いので、小さいサイズで描く方にはオススメの筆ではあります。

油彩やアクリルでも使える筆なので、店頭ではアクリル系の筆にカテゴライズされていることが多いです。

インターロンの要注意ポイント

穂先が白いので、ステイニング性の強い絵の具を使うと染み付いて取れにくくなる点です。

ナイロン筆あるあるなので何もインターロンに限った話じゃないんですが、インターロンの場合はそれが特に際立って目立つので、結構気にしちゃう人は多いかも。透明水彩で使う場合はそのままでも制作に支障はないのですが、水彩筆にも使えるタイプのブラシクリーナーで定期的に洗うのをおすすめします。

アクアレッロ(クサカベ)

クサカベ アクアレッロ

クサカベが満を持して2021年末に発売した水彩用の筆。お値段はインターロンよりもやや高め。

PBT化学繊維を採用した人工毛筆でありながら、天然のコリンスキーのような表現力を実現したという筆。こちらも程よいコシと水の含みで毛先がばらつきにくいため、細かい所も安定して描くことが出来ます。前述のインターロンと比較するとちょっと硬めかな。また15000回の摩耗テストにも耐える強度を持っているとのことで、耐久性にも優れています。購入してからやがて1年ですが、描く頻度が多くないとはいえ、穂先がヘタれてくる様子は今の所皆無。

なおアクアレッロ同様の特徴を持った筆で「サイン」という筆もありますが、短軸か長軸かの違いだけで使用感はほぼ同じです。ただ、いろんなサイズの筆が欲しいのであれば、アクアレッロ一択だと思います。

ずっと0号と2号だけで頑張ってきたけど、号数の大きい筆でもう1本買い足したいなぁ…

アクアレッロの要注意ポイント

オンラインでの販路が非常に狭い点です。通販だと世界堂のオンラインショップでしか購入できません。

Amazonでも購入出来ますが、この場合も世界堂からの販売・出荷になります。そのため、世界堂オンラインで買う時と同様の送料が加算されるので、残念ながらAmazonで買うメリットはないです。

店頭販売に関しては、前回の筆の記事を書いた時点では世界堂でしかお取り扱いがなかったのですが、現在ではお取り扱い店舗が続々と増えてきたので、発売して間もない頃と比較して買いやすくなったと思います。しかし通販では相変わらず世界堂でしか買う事が出来ないのが本当に本当に残念すぎるので、主要ECサイトでもお取り扱いしてほしいです。

ブラックリセーブル 700R/SQ(ホルベイン)

ホルベイン ブラックリセーブル

ホルベインのリセーブル筆の中で最も柔らかいシリーズ。

弾力性に優れたホルベイン独自のナイロン「リセーブル」と、水含みに優れたリス毛とを混合して作られた筆。このブラックリセーブルには3種類あり、

  • オーソドックスな形状の「700」シリーズ
  • 穂先がシャープな羽管型の「SQ」シリーズ
  • 天然リス毛クイル型の穂先形状を再現した「ch-A」シリーズ

というバリエーションになっていますが、入手のしやすさ・買いやすさで選ぶなら700シリーズが無難です。

以前の筆の記事でも書きましたが、毛が柔らかいので触り心地最高。柔らかいんだけど、フニャフニャしない程度には程よく硬さも兼ね備えているので、描き心地も最高。硬い筆が苦手な人は買いだと思います。

お値段はインターロンよりややお安め。軽率に買っても満足できる筆。これよりももう少し安めのニューリセーブルとパラリセーブルの方が、水彩初心者向けとしてよくおすすめされる筆なのですが、個人的にはブラックリセーブルの方が水彩らしい塗り方が出来る分、むしろこちらが初心者向きなのでは? と思うくらい。ニューリセーブル(羊毛との混合)やパラリセーブル(イタチ毛との混合)はやや硬めの筆になるので、苦手な人は苦手かも。

ところで700Rは購入する時に何らかの理由で2号と4号を買わずに、0号と6号を買って今に至っている(※ちなみに前出のスレッタは700Rの6号筆のみで塗りました)んですが、いい加減その中間の太さの筆と8号筆を買い足したいですね…。あとフィルバートも欲しい。

ブラックリセーブルの要注意ポイント

700シリーズに限る話ですが、8号以下は長軸しかないことです。

実は近年のリニューアルで10号以上は短軸になったのですが、8号以下は長軸なので「この差は一体?」ってなっちゃうのですよね。8号以下も短軸で販売して欲しい…!(700シリーズの不満点ぶっちゃけココだけなんですよぉ…)

SQだけでも細かい所を描けるように練習しろって話か…。

ノルム/ラフィーネ LR(名村大成堂)

こちらは最近購入したばかりでまだ本格的に使ってないので、+α枠でご紹介します(ナムラさんすいません…)

「EXCLUSIVE SYN SABLE」(エクスクルーシブ センスティック セーブル)という次世代ナイロンを採用した筆。ノルムがオーソドックスな形状をした筆で、ノルムの後継型にあたるラフィーネLRは少し穂が長めの細密画向きの筆。お値段はどちらも同じくらいで、4号筆で1200円ほど。初心者向きと言うには前述3種よりも少しお値段高めなので、ちょっと買いにくいかもですが…

ノルムはラウンド型のみですが、ラフィーネの場合は他にも種類があって、

  • オーソドックスな形状の「LR(ロングラウンド)」
  • キャッツタンタイプの「OW(オーバルウォッシュ)」
  • 羽管形でLRよりもさらに穂先がシャープになった「Q(クイル)」

の3種類に分かれます。LRはまだリーズナブルに購入できますが、OWとQは一番細い筆でもかなりのお値段になります。特にQは、お値段がコリンスキー筆に匹敵するレベルなので全然初心者向きではないです…。初心者の方はまずLRの4号か6号で試されるのをおすすめします。この辺ならまだお財布に優しいはず。OWは上級者向け。

ノルムの場合は(ちょっとお値段張りますが)、0号・4号・8号が入ったセット品を買うのもオススメです。予算的に厳しければ、4号筆でお試しすると良いです。ノルムの場合はこれよりも細いと特徴をつかみにくいかも。

他にも買った筆たち…

その他の筆たち…
キャムロンプロはもう1本太いのを買わないとなぁ

前回の筆の記事を書いた段階ではまだ手元にはなかった人たち(レンブラントの4号除く)

一番手前のW&Nのシリーズ7(コリンスキー)は一度洗っただけでほぼ未使用です。3号筆とはいえミニチュアシリーズなので、残念ながら広範囲を塗るのには適していないんですよね。ナムラのビューライナーとレンブラントの筆も、時々使ってみたりはするのですが全然和解できません…(涙)

なおここには写っていないCNクリスタルはリキテックスリキッド用に鞍替えしましたが、こちらも水彩用の筆としてもおすすめです。ただ0号筆でも相当太い筆なので、細かい所は苦手です。

筆を変えると、仕上がりも変わる?

感じ方には個人差はあると思いますが、結構変わります。

実はアクアレッロを買った時にブラックリセーブルと塗り心地を比較した事があるのですが、やはりその筆によって得手不得手というものはあるなと感じました。

紙はウォーターフォードで、どちらも0号筆で塗っています。ちょっとわかりにくいですが、

  • 左のアクアレッロは細かい模様や線をきれいに描けるけど、やや硬めの毛なのでふんわりとぼかすのはちと苦手
  • 右のブラックリセーブルはキレイなボカシが出来るけど、毛が柔らかいので細かい所を描くには集中力が必要

…だなぁ、という印象だったのを記憶しています。が、今は塗り方が若干異なっているので、上の絵ほど差が出なくなっている気がします。あと真面目に検証してはいないので一概になんとも言えないですが。

良い筆を買ったら、お手入れにも気を使おう

インターロンのところでブラシクリーナーのお話をしたのですが、水彩絵具の場合は水できちんと落とせるので、普段からこれで洗う必要はほとんどないです。

とはいえ、インターロンのようにすぐに染み付きやすく汚れの目立ちやすい筆の場合は、数ヶ月に1回位でいいのでブラシクリーナーで洗ってあげても良いかと。

水彩筆に使うクリーナーを買う時は「水溶性」を選ぼう

専用クリーナーは水彩絵具にも使える「水溶性」(「水彩」「for Watercolor」などの表記があるならなお良し)と書かれたものを使います。

水彩筆にも使える液体クリーナーだとこの辺りですね。なお固形だとマスターズがよく落ちるという噂。

文房堂のアプトは本体に水彩の記載がありませんが、PDFカタログに「油彩、水彩、アクリル絵具等どんな汚れも分解する」とあるので、これで水彩筆を洗ってもおそらく大丈夫だと思われます。なお、PDFに記載されている価格は2016年当時の物なので、現在の販売価格については販売店でご確認下さい。

アクアマジックしか勝たん(異論は認める)

私は石油系溶剤・界面活性剤不使用で、植物由来成分のみで作られた「アクアマジック」を使っています。

オーストラリア製の天然多糖類で作った洗剤なので、肌についた汚れ落としに使っても手が荒れにくいです。筆にも人にも環境にも優しいのですが、洗浄力はとても高いです。顔料で染まりきったインターロンが驚きの白さになります。またトリートメント効果もあるため、これで洗うと筆先がしっとりまとまります。

ややお高めですが、水彩筆の場合は薄めて使ってもきれいに落とせるので、コスパは悪くないと思います。リキテックスリキッドを使った場合はさすがに原液じゃないと無理ですが…

しかしこれで洗ってもレンブラントの筆(赤テン)やビューライナー(イタチ)は毛の広がりが直らないので、クサカベのブラシソフターも併用したほうが良さそうな気がします…

おわりに

推し筆たちに今年のInktoberで描いた絵を添えて(ちょっと暗いな…)

というわけで、初心者でも比較的扱いやすい&手を出しやすい価格帯に絞って、推し筆をご紹介しました。

実は1年の間に絵具と並行して筆も結構な本数を買ってしまっているのですが、これだけ買ってもまだまだ気になる筆はあるという。コリンスキーも1本しか持ってないですし、もう少し太めのものでもう1本欲しいなと…。あとコリンスキーじゃなくていいからラファエルの筆を使ってみたいです。ラファエル使ってますアピールしてみたい(ぉ)。

最後に、気になっている筆たちをリストアップ↓ 気になる筆多すぎだな…

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