M1 Mac miniを買ったので絵を描くオタクがMacを購入時にチェックしたい点を再考してみる

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このまま今のiMacを使い続けるのが不安になった(物理破損的な意味で)

元日の地震から数ヶ月経ったある日、ふとOSだけでもアプデしておくか…と、あの時以来停電でブラックアウトした状態のまま箱にしまっていたiMacを久しぶりに引っ張り出して起動してみました(本震発生当時の状態のまま復元起動したので別の意味で泣いた)。

…が、アプデ中に2回もカーネルパニックを起こして止まる事案が発生。強制再起動を入れてなんとかアプデを完走したものの、年式を考えるとそろそろどっかしら壊れてもおかしくないよなぁと。OSブート自体は外部SSD起動で、内蔵のFusion Driveは殆ど使っていなかったにせよ、停電で正常終了出来なかったことを考えると…ねぇ…

そうでなくても、引越し先にこの重量級(約10kg)かつクソデカサイズの箱に入ったiMacを持っていくのは難しい状況になってしまったのと、Apple Silicon Macに乗り換えても良い頃合いだと思ったので、インテル入ってるiMacを売却してApple Silicon Macに買い替えようと思いたちました(数ヶ月前にThinkPad買ったばかりでは…?)

乗り換えのタイミングを伺っていたのも事実ではあるのですが、一番の理由は地震による破損で自分の肝を冷やしたくないなっていう…。過去にiMacを修理に出したことがあるのですが、Cintiq 16の新品価格相当(※発売開始当時の価格)の修理費を払ったのに、交換したロジックボードでも別の問題が出て、もう心が折れてしまったので…(涙)

世間の流行りに逆らってM1 Mac miniを買う

世間的には持ち運び出来てDTPもこなせるMac…ということで、MacBook AirやMacBook Proが人気なのですが、中古でもまだまだ高いMacBookを買うという選択肢はなかった。またiMacのような一体型や、MBPやMBAのようなラップトップの場合だと、故障した時に原因の切り分けが難しいという欠点もあります。そして何よりもその修理費用がバカ高い。最悪その修理費用で整備品や中古のMac(あるいはiPad Pro)を買う為の資金にした方が精神衛生上いいのでは…? ってなります。というか実際なったので。

必要最低限の入力デバイスとディスプレイは普通にあった(キーボードだけは中古のMagic Keyboardを探して買いましたが…)のと、CTOして新品のM2で買おうとすると地味に予算オーバーだったので、中古のM1 Mac miniを選びました。モデルとしては1世代前の型落ちですけども、それでもまだ数年戦えるスペックは持っているので。

探しに探して今回はイオシスで購入。

本体のみ・Cランクとあったので傷ボロボロだったりするのかな…と思いきや、使用感に伴うスレと1箇所だけどこかぶつけた跡があったぐらいで外観はめっちゃ綺麗でした。なおMac miniの電源コードは汎用のACアダプタ用のものが使えるので、家電量販店で購入しました(確か1200円くらい)。

スペックはメモリが16GB、ストレージが512GB。ストレージは1TBあればもっといいのですが、もともとシステム用のストレージにはOSとアプリ以外のものは基本的に置かない(すべて外部ストレージに保存)ので、とりあえず512GBで様子見。厳しくなってきたら作業環境を見直す方向で…

ちなみに現行モデルで同じ仕様にすると、無印M2の場合は要CTOでおよそ15万円ほど、メモリ16GB/SSD512GBがデフォルトの最小構成となっているM2 Proでは新品でおよそ19万円ほどになります。

早速使ってみる

購入した時点でOSは既にSonomaが入っていて、Apple IDを設定すればすぐ使えるようになっていたっぽいのですが、何を思ったか一度初期化してしまったのは秘密。iMacはひとつ前のVentureのままだったので、実はSonomaのUIにあんまり馴染みがなくてですね…(言い訳)

諸々の設定を済ませたのち、いよいよアプリをインストールして前のiMacと同じ状態にまで整えていくのですが、少しでもアプリのバージョン管理を楽にするために、今までとは違う方法で入れていくことに。

アプリの管理を(可能な限り)Homebrewに任せてみることにした

macOS/Linuxに対応したパッケージマネージャーで、これを使って開発用モジュールやアプリケーションをインストールしたりバージョン管理できるようになります。基本的にターミナルの黒い画面にコマンド打ちなのと、Homebrew本体をインストールした後にPATHを通さないと使えないので、導入難易度はかなり高め。インストールしたソフトと合わせて別記事にする予定なので、ここでは詳しい使い方や導入手順などは割愛します。

Homebrewはあくまで「有志の人たちが作っている自動化の仕組み」なので、GUIアプリをインストール/アップデートするためにHomebrewに読み込ませるためのレシピ(※caskと呼びます)が最新バージョンに追随しているとは限らない事は頭の片隅に入れておきましょう。ちなみに、masと呼ばれるコマンドツールをインストールすると、Mac App Store経由でインストールしたアプリをHomebrewで管理する事も出来ます。これ結構便利。

なお、HomebrewではAdobe CCとクリスタはインストールできません

ざっくり使った感想

一言で申し上げるなら、今までのインテル入ってるMacは何だったんだろう…っていうくらい、OSもアプリも起動が早い。特にFirefoxはIntel iMacでは終了時に数秒もっさりする時間があったのだけど、M1 Mac miniだとそれがほぼ皆無。めちゃくちゃ快適すぎてもうインテル入ってるMacに戻れないです。

あとWindowsのFirefoxだと、ThinkPadにメモリを32GB積んだにも関わらずMisskeyがめちゃくちゃ重いんですが、MacのFirefoxではド安定してますね。なおそれ以外のブラウザでMisskeyを見ると、メモリの使い方が下手なのか不安定なんですよね。近年シェア数が低くなって久しいFirefoxくんですが、まだまだ第一線で頑張ってほしい…

あと対応機種がApple Mシリーズのみだったためずっと使えなかったIce Cubes(Mastodonアプリ)をようやく試すことが出来たのですが、macOS版ならIvoryの方が使いやすい気がする。逆にiOS版だとIce Cubesの方が優秀なんですけど、それよりも更に高性能で日本語ネイティブなDAWNとfeatherがあるので使う頻度が減ってしまった…

絵を描くオタクがMacを買う時に気にしたい所2024

前フリ長くなりましたがここから本題。

なおここで書く話は基本的に趣味ベースで絵を描く人向けの内容となっています。プロユースの場合はプロ仕様のスペックを選ぶか、Macを諦めてWindowsでクリエイター向けPCを買う方が良いです。

デスクトップでもMacBookでも、最低16GBはメモリを積むべし!

ググると、Intel Macとは違うのでメモリ8GBでも十分だとか、最小構成(メモリ8GB/SSD256GB)のM1 MacBook Airでも十分クリスタ動いたとか言ってる人がいるけど、メモリ8GBって普通にクリスタの必要システム要件ギリギリなので流石に寝言は寝てから言えレベルなんですよ。快適に使いたいのであれば、M2以上であってもメモリは16GB積まないと割と厳しいと思います。クリスタくん、意外と安定しないわよ。

あと4K以上で表示させる場合は、どんだけメモリを積んでいようがSoCに足を引っ張られたら終わりなので、メモリに加えてSoCについても慎重に考えるべし。少なくともProかMaxじゃないと厳しい感。

ストレージは512GBが最低ライン

特にM2のMac miniやMacBook Air、M2 ProのMacBook Proの場合、ストレージが最小構成のままだと転送速度が遅くなることがある、という問題が指摘されています。なお、M3 MacBook Airではこの問題は解消されているらしい。

とはいえ、元々のSSDの速度が極端に遅いわけではないので、ほとんどの人の場合、日常的に使う分には非常に差がわかりにくい点ではあります。が、メモリスワップ次第で全体のパフォーマンスにも影響することを考えると、やはり最低ラインは512GBになるかなと。

M2 ProのMacBook Proの場合は最小構成が512GBなので1TBにしたくなりますが、SSD以外の基本性能がAirよりは高いので、普段使う分にはそこまで神経質にならんでも良さそうな気はします。

MacBookはパフォーマンス重視ならやはりAirよりPro。しかし中古も高い

Airは普段使いなら問題ないが、クリエイティブ用途だとCTOなしでは厳しい

世間的には中古も新品もMacBook Airが大人気のようですが、仕様上外部出力が1台までという制限があること、Intel時代と比べて基本性能は良くなったものの、相変わらず拡張性が乏しすぎるのとで、ガッツリやるにはAirはやや微妙。ファンレス仕様ゆえに排熱問題がつきまとうのもマイナス点。持ち歩き前提で、かつPhotoshopやクリスタを快適に使いたいのであれば、やはりAirよりもProに軍配が上がる。この辺は以前本館で似た記事を書いた時から変わってないです。

敢えてAirを買うのであれば、M3モデルのメモリ16GB/ストレージ512GBが最低ラインだと思います。

Proは性能面で安心だけど、中古のM1ですら高いのがネック

基本性能がAirよりも高いMacBook Proの場合は、最低メモリだけでも16GBにカスタマイズしてあるものなら、M1でもまだ戦えるのではないかなと(ただしM2 Proの場合は前述の通りSSD容量に注意)。問題はメモリ16GBの条件で探した時、14インチモデルのM1の中古ですら安くても20万は当たり前、という中古の価格相場かな…

Proの場合でも、Air同様メモリ16GB/ストレージ512GBが最低ラインかなと思うのですが、モデル次第ではM4 iPad Proが見えてくるような価格帯になりそうなのがね…。最近では商業作家でもiPad Proで原稿描いてるという人は結構増えてきているので、絵を描くだけならiPad Proの方が良かったりすることもある。悩ましい話。

デスクトップの場合は手持ちの周辺機器次第でMac miniかiMacを選ぶ

Intel時代は、最悪何かあってもメモリだけは開腹無しで自力交換できる27インチiMacに地の利がありましたが、今はiMacもメモリの自力交換が出来なくなったので、手持ちの周辺機器の有無次第で選んでも良さそうです。

純正キーボード&マウスと外部ディスプレイがあるならMac mini

それまでメインの作業環境としてWindowsデスクトップを使っていた人で、導入コストを抑えつつ、かつWindowsで使っていたものと同じ周辺機器(特にディスプレイ)を使いたい場合はMac miniがいいかなと。

ただし、初期設定やOSクリーンインストールの際に純正キーボード(Magic KeyboardまたはUSB接続タイプ)&Magic MouseまたはMagic Trackpadが必要です。サード製の有線(※BluetoothではなくUSBレシーバ経由で無線接続するものでも可)キーボード&マウスでも可能ですが、純正の方が変なトラブルがなくてよいです。

周辺機器の知識にあまり詳しくなければiMacだが、下位モデルはおすすめしない

初めてMacを買う人の場合は、ディスプレイと入力デバイスが一度に揃うiMacの方がいいと思います。ただし、下位モデルだとインターフェイスがThunderbolt4/USB4ポート2基しかなく、またiMacの場合イーサネットポートは上位モデルにのみ標準装備になります。よって、iMacを買うなら上位モデルをおすすめします。ただ、上位モデルでかつメモリ16GB以上の中古や整備品はなかなか出てこないし、出てきてもすぐ売り切れちゃう。そして高い…

あと5K 27インチiMacを使っていた人の場合は、現行iMacのディスプレイサイズ(24インチ/4.5K)に耐えられるか? という点も、人によっては問題になりそうです。

M2Pro Mac miniとMac Studioは完全にプロ向け。…Mac Pro? なにそれおいしいの?

無印M2のMac miniよりも拡張性が高く、最小構成でもメモリが16GB(Mac Studioはチップセットによって32GBまたは64GB)なのでとても魅力的なのですが、趣味程度で絵を描くだけなら完全にオーバースペックです。そもそも整備品に出ているM1 Ultraモデルですらお値段が可愛くない。なお、Mac StudioもMac mini同様、初期設定時やOSクリーンインストールの際には純正キーボード&Magic MouseまたはMagic Trackpadが必要です。

4K以上のディスプレイや液タブ等に常時4K以上の表示で使用するとか、Final Cut ProやAdobe Premiere Proで長時間にわたって動画編集する必要がある場合など、メモリ32GB以上積まないと円滑に作業できないような使い方をしているなら、買った方がいいかな程度だと思います。個人用途の場合は雰囲気で買うと確実に持て余します。

Mac Proは…完全に業務用なので無視。間違っても個人が買うものではない。ヒカキン? まぁあの人は規格外なので…

DTMやアプリ開発・仮想環境を作らないのであれば、Intel Macじゃなくていいかも

Apple Siliconに移行してからもう4年になろうとしている今、Rosetta 2を噛ませないと動かないようなアプリは減ってきたかな〜…と思うので、よほどの理由がなければインテル入ってるMacを選ぶメリットは少ないと思います。

ただし、Windowsとのデュアルブート環境(BootCamp)が必要な場合、もしくは仮想環境の構築にVirtualBoxが必要な場合は別です。特に前者、Apple Silicon MacではBootCampをサポートしていないので。

フリーの仮想環境アプリとして有名なVirtualBoxは、Apple Silicon Macへの対応が遅れている(…というか対応する気なさそうという噂すらある件)ので、VirtualBoxで仮想環境を構築する機会が多いなら、Intel Macの方がいいです。ただし、VirtualBoxの代わりにParallelsやVMWare Fusionを使うことで仮想環境を構築できるのであれば、Apple Silicon Macに移行するのがいいと思います。

DTMerの民は使用している音楽制作アプリのプラグインがApple Siliconにネイティブ対応しているかも併せて確認を。DTMの知識に乏しいのでよくわからんのですが、中にはまだ対応できていないプラグインもあるようなので…

おわりに

1ヶ月くらい悩んだ末に思い切ってポチりましたが、思い切ってよかったです…! ただ届いたその日に液タブのtype-Cケーブルがお亡くなりになったことが判明しました(涙)

あと、今はMacBook Proの外部出力用として買ったASUSのディスプレイに繋いで使っているのですが、最近一瞬だけふっと消えることが増えてきたのでこいつもヤバそう…。引っ越しのタイミングで4Kに新調しようと考えているのでそれまで耐えてくれー! …と毎日祈りながら使ってる有様。オヨー (;O;)

…とまぁ、こんな感じで表示周りに爆弾抱えてる状態ですが、それ以外はすこぶる快適なので、まだインテル入ってるMacをお使いの方は早く乗り換えたほうがいいです。マジで。

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