初心者の為の透明水彩・道具を揃えるの段

透明水彩を始めてみたい!と思った時に、必ずぶち当たる壁。それは…

何から揃えればいいんだろう…

この一言に尽きるのではなかろうかと。これは透明水彩に限った話じゃなく、コピックでもカラーインクでもデジ絵であっても同じですが。

という訳で、実際に私が用意したものをもとに、透明水彩に必要な道具をご紹介していこうかと思いますよ。

この記事は主にコミックイラスト・キャラクターイラストを描く人向けの内容になっていますので、ボタニカルアートや風景画の場合には適さない可能性があります。

Contents

そもそも透明水彩ってなんぞや?

ざっくり言うと「絵の具で塗った時に下の色が透けて見える」のが透明水彩です。小学校で使っていたのは不透明水彩で、こちらは逆に下の色が透けて見えません。この違いはアラビアゴム(色の元となる顔料を紙に定着させるための粘着剤のようなもの)の配合量が多いか少ないかで決まっており、このアラビアゴムの量が多ければ多いほど透明度が高い、という事のようです。…なるほど、わからん。

最低限必要な道具を揃える

…とまぁ、専門的な話はより専門的な所にお譲りするとして、透明水彩を始めるには最低限何を用意するかというと…

  • 透明水彩絵の具
  • パレット
  • 水彩用筆
  • 水彩紙
  • 筆洗
  • 雑巾(※使わないタオルやウエスでも可)

ぶっちゃけこれだけで始められます。これ以外に「あれば便利」なものとしては

  • ティッシュペーパー
  • スポイト
  • 綿棒

あたりかなと。ティッシュや綿棒はリフトアウトの時にあればいいかな的なポジションなので、特になくても問題ないです。スポイトはパレットに水を補給する為ですが、これも特に必須ではないです。

なお、本当はこれに加えて水張り用として画板や刷毛なども必要なのですが、それはまた次の機会に。

実際に私が最初期に揃えたもの

私が最初期に揃えたもの一式

上記を踏まえて私が実際に揃えたものがこれです(雑巾は後から足したのでここには写っていません)。あと水彩紙は元々持っていたアルビレオとコットマン細目を使っていましたが、この後すぐに別の水彩紙を数種類を買い足しています…。以下1つずつ説明していきます。

透明水彩絵の具

ホルベイン透明水彩絵具

絵の具。水彩画の教本で使われている事や、画材店であればどこでも取り扱ってるので手に入りやすい点から、最初に買うならホルベインがいいと思います。単品で買ってもコピックより安い。セットで買うなら18色か24色が一番無難ですが、エスのイラストレーターとコラボした「キャラクターイラストの為の透明水彩絵具12色セット」(限定品なので注意!)もおすすめ。セットで買った色に追加でオペラ+気になる色を買い足すのがオススメ。

なお更にコストを抑えたいならターナーの18色セットもオススメですが、単品での販売をしている所がオンラインも含め非常に少ないので要注意。

パレット

スペースに余裕があれば寒色と暖色とでパレットを分けるのもアリ

最初のうちは100均のプラスチックパレットで十分です。ただずっと使ってると色が染み付いて取れなくなってくるので、どこかのタイミングでアルミ製パレットに乗り換えてもいいかと。手持ちが50〜60色を超えるようになってきたらハーフパンに絵の具を移す等の選択肢が出てきますが、これが意外とコストが嵩むので、むやみやたらに絵の具の色を増やさないことも実は大事。

作業スペースが許すならパレット複数枚使いでもいいと思いますが、私の場合はパレット2枚使いにすると作業スペースが狭まってしまったので、アルミパレット+くるみボタンを使った手作りハーフパンに移行しました。

水彩用筆

水彩筆

最初のうちは小学校でも使われている「ぺんてる ネオセーブル」か「サクラ ネオセブロン」の3本セットで問題ないです。ただ結構パサパサになりやすいのと、ネオセブロンの方に至っては変に柔らかすぎて描きにくいのがストレスになったので、かなり早い段階で筆を買い替えてしまいました…。

ホルベインのリセーブル筆やナムラの筆はオススメしている方が多いので、前述のネオセーブルやネオセブロンからステップアップしたいならこの2つでとりあえず買い揃えてみるのも良いかも。

水彩紙

個人的には一番お金をかけた方がいいヤツ。

全く駄目なわけではないのですが、画用紙だと透明水彩の良さを活かしにくいんですよね。紙も筆同様ピンキリで、高ければ高いほど描き心地も塗り心地も変わります。が、他は安くてもいいけど紙だけは妥協しない方が幸せになれます。

ただいきなり最高級のアルシュを使うのは流石に無謀すぎる(メチャクチャ高い)ので、最初は透明水彩に適した安めの紙からスタートして、ちょっと慣れてきたらコットン紙をいくつか試してみる…という流れでいいと思います。あと、買うなら最初はポストカードサイズから始めた方がお財布にも優しいですし、もし自分には合わなくてもダメージが少なくて済みます。

ちなみに自分はホワイトワトソンとの相性がよろしくなかったです…

筆洗

筆洗は何でもいい

これに関しては何でもいいんですが、なるべく透明な容器の方がいいです。私は誤飲防止も兼ねて100均でビーカーを買って筆洗代わりにしています。あとは予備で家にあった空瓶も使ってますが、実はこれ「桃屋のごはんですよ」の瓶だったりしますw

雑巾

洗った筆を拭いたり、筆についた絵の具や水の量を調節するために使ってます。雑巾の代わりにティッシュやキッチンペーパーを使う人もいます。しかし中にはキムワイプを使う猛者もいるとかいないとか…(めっちゃコスト嵩みそうなのだが…)

その他

鉛筆・シャープペン

下書き用。芯の濃さはBかHBくらいが消しゴムを掛けた時に紙を傷めにくいのではないかなと。シャープペンの芯は細すぎない方が紙を傷めにくいです。0.5mmでも筆圧弱めに描かないと描いた痕が結構残ります…

作家さんによっては水彩色鉛筆で下書きして鉛筆で清書される方もいます。この場合、水彩色鉛筆で描いた部分は水で溶かしてそのまま下塗りの色として流用するそうな。

ミリペン(ただし耐水性に限る)

ペン入れ用。コピック絵のペン入れで用いるピグマやコピックマルチライナーがそのまま流用できます(インク自体は水性だが乾くと耐水性になる)。透明水彩に使うならマルチライナーのブラウン・セピア・ウォームグレイが比較的馴染みが良くておすすめです。カラーだとマルチライナーのワインがオススメ。

なおピグマはコピック絵に使う時はよく乾かさないと色塗りの時にインクを引っ張る事があるので注意。

まとめ

絵の具と筆と紙以外は100均で買うか、家にあるもので賄ったりすれば、導入コストはかなり抑えられると思います。そう考えると実はコピックよりもコスパは良い方ですよね、透明水彩。コピックにはコピックの良さがあります(コピー用紙さえあれば描く紙には困らない)けど、流石にコスパだけは透明水彩には負けてしまうかな…

ただ、使いこなすには画材の研究が必要なところが、透明水彩に対するハードルを上げてるのかなぁと感じてますし、実際自分もそうでした。そうじゃないんだよ、実は案外気軽に使えるんだよ…! っていう話をこれからぼちぼち書いていけたらいいなぁと思っております(小並感)

Contents